[タイトル]なのはなすたいる

ちいさな春のラプソディ(download)

ちいさな春のラプソディ[画面]

今回はあいはらまひろさんの「ちいさな春のラプソディ」をレビューします。

まずゲームを立ち上げて感じたことは 公開時期にあわせたのか背景等がカラフルで春に相応しい感じだなと思いました。 特にタイトル画面は凄く春っぽくて好きです。

文章については相変わらずあっさりしていて読みやすいです。 導入は普通で違和感なく読み進めていけます。

表現にこだわりが見られてますね 「カノジョ」という単語や全然という単語にぜんっぜんってルビを振るあたり ニュアンスを伝えようとしてるように思えます。

ヒロインの一人、遙香が怪我で部活を辞めたという展開がありますが その辞めた後の心情描写が良かったと思います。 辞めた後ホッとしたってくだりのところです。

全体を通してみると、中高生にありそうな軽い感じの恋愛模様という感じなのがいいなと思いました。 この作品には「愛してる」や「お前がいないと生きていけない」みたいなそういうのは 合わないですからね。 まずは「お付き合い」というのをしてみましょう的な終わり方で 後味もいいし短編にふさわしい作品になっています。 そういう余韻がありすぎないというのがいいんですね。 あんまり後をひくようだとスッキリ感が出ないですからね。

ところでエイプリル作品ということなので「ウソ」の要素はあります。 わざとらしさはないのでこれがエイプリル作品としてじゃなくても 自然になっていると思います。

あいはらさんの他作品はほぼ全部やっているので少し述べますが あいはらさんの作品は文章だけで充分楽しめるのですが 作品を重ねる度にいろんな演出を試されていて 文章以外の良さも出てきています。 そして派手なことはあまりされないのですが 細かい所で気が利いていて丁寧に作品を作っているところが いいのではないかと思います。

褒めてばかりなのもアレなので 気になったことを述べますと1回だけ選択肢が出てきますが どちらから先にプレイするかで 印象が変わってくるかもしれないことです。 自分は「ウソ」の要素が出てこない方のルートからやったので 自然な繋がりで読了できましたが 逆のパターンだったら最後までプレイしたときの印象はどうなったのかな と気になりました。

あと細かい所ですと 遙香が駅前で大笑いしたシーンのところが 立ち絵のパターンがなかったんだと 推察されてしまうところですかね。 そこの部分で立ち絵がないのは少し違和感ありました。

以上ですかね 本当に春らしい作品で短い時間でプレイ出来ますので 少し時間が開いたときにはぜひプレイされてみてはどうですか?

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