[タイトル]なのはなすたいる

Ringlet the Fairytale(download)

Ringlet the Fairytale[画面]

Ringlet the Fairytaleはエルセという女の子がおにいちゃんと慕っている主人公に本を読んで もらうノベルゲームです。

この作品はメッセージウィンドウの使い方が面白いです。 兄が妹に本を読み聞かせるというのをノベルゲームにしていて 本の文章は画面全体に表示されるビジュアルノベル形式、本を読んでいて 本の内容に突っ込みを入れるエルセと主人公(兄妹のような関係の二人、以後兄妹として表記)の会話文が画面下 のメッセージウインドウに表示されるというノベルゲームに於ける 2種類の代表的な文章表示方法を使用しています。(画像参考)

さらに補足すると普段は文章が画面全体に表示して進行していくのですが兄妹の会話が挿入される時のみ 画面全体の文章が一時ストップして下にメッセージウィンドウが出て兄妹の会話が進行して、会話が終わると メッセージウインドウが消えるようになってます。

これにより普段は絵本の内容に集中でき、兄妹の会話文では兄の主観と妹の主観という 二つの視点が提示されそれを受けてプレイヤーなりの解釈(ゲーム上には表現されないけれど) を入れて進むことになり、それは絵本の世界と兄妹の世界を自然に行き来し内容に厚みが出るよう になっていて作者が民話を分かりやすく伝えたいというのがうかがえます。

なおRingletに登場するお話は元の原作に近い話ではありますが作者によってアレンジされているので より正確な話を知りたい方は原文をお読みになることを推奨します。 またその際はあとがきの参考文献を参照するとよいでしょう。

さて気になったことは、兄妹の会話で名前だけ出てくるキャラクターの話があるので その他のRinglet関連作品をプレイしてないと分からない部分があることですね。 ただ分からなくても問題ない程度の量なのでマイナスという程ではないです。

もう1点気になったことがありまして同じシナリオを複数回プレイすると内容が若干変わります。 1回目は兄妹が初めて本を読むという流れで進行し、2回目は兄妹がそのお話を既読していてもう一度その本を 読むという流れで、 3回目以降は兄妹は出てこず、本のお話だけをプレイヤーが読むという流れになっています。 この仕掛け自体は面白いと思うのですが3回目以降の状態になったら1回目と2回目の流れを読むことが出来な いのが 個人的には微妙に感じました。 もう一度1回目と2回目のお話を読むときの方法として 「はじめにお読み下さい」のファイルにはセーブデータを消すや任意の場所にセーブデータを退避させることが 書いてあるのですが 選択肢や既読設定のからみ等でセーブデータを削除しなくても1回目や2回目のお話を読めるようにしたほうが 良かったと思います。

グラフィック面ですが一枚絵は綺麗(エルセの一枚絵は凄い)ですし細かいロゴ等も気が利いていて 電子絵本のような感じでプレイしていて楽しいです。音楽も雰囲気にあった良いものを選んでいると思います。

グラフィックや演出面のクオリティは高いですが なんといっても一番の見所はエルセと主人公の兄妹のような微笑ましいやりとりですね。 本当に読み聞かせをしているようでニヤニヤしてしまいます。絵とかのクオリティも大事だとは 思いますがメインの二人の会話が良く出来ているのが好印象です。

現段階でエピソードは9編あって今後も増えていく予定(らしい)ので 今後も期待できる作品と言えます。

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