もしも世界の終わりが宣告されたならという誰しも一度は抱いたことのある想像をテーマにした作品。
この作品は一週間後に終末を迎えることになった4人の視点を織り交ぜつつ進行していきます。
視点変更が多いんですが、各キャラの心情描写が上手くなされておりマイナスには感じませんでした。
また世界が終わるというわりに絶望感が漂う雰囲気でもなく、しんみりした感じのやりとりで進行していく
のは良かったです。
人間模様もどこか暖かい感じがして心地いいです。
その分、舞台設定は甘いような気がします。
世界が終わる理由が明かされていないことや
電気や水道が通っていたり、電車も稼動しているあたり疑問を感じます。
あえてそのあたりは描写しなかったのかもしれませんが。
ですが物語の核は4人のキャラクターの人間模様なのであまり気になりません。
気になった点は、日記を書いてる男の子が一日の最後に出てくるのですが
4人と関わりがなく、ただ残された寂しい男の子という表現のされかたで
物語に関わってこないということですね。
メインの4人が出会っていく過程は上手く描かれていたので、この男の子も
なんらかの形で交わせると面白くなったのではないかと思います。
はっきりいって地味な作品ではあります。
演出はほとんどありませんし
たまに音楽がかかるくらいです。
しかしそれが作品の雰囲気に合っていて
かえって引き立てるような気がします。
いい音楽の使い方をしており
これぞ「サウンドノベル」という作品なのではないでしょうか。