今回は、ジサツ志願者同盟をレビューします。
様々な事情を抱えた中学生3人が、オフで集まり自殺を図るというストーリーです。
もうちょっと具体的に、作者サイトから引用してくると
集団自殺しませんか――。
ネット上に書き込まれた、その言葉が彼らの出会いのきっかけだった。
周りにいじめられていた登校拒否児 "麻生 奈央"
いつも問題を起こしていた不良少年 "二階堂 颯太"
余命わずかで病院を抜け出してきた "遠乃 瑞希"
彼らは出会い、そして揃って自殺をしようと図る。
――短いひと夏の旅の始まりだった。
「――僕らは、一生忘れないだろう。 あの夏を、あの3人で過ごした短い日々を……」
こういうストーリです。
自殺を取り扱った作品で、自殺というものに対して作者は中立の立場を取ることが多いような気がします。
自殺についての是非をプレイヤーに問いかけて、プレイヤー自身に考えさせるようなそういう感じです。
この作品ではそうではなくて、どちらかというと自殺には否定的で
苦しいことがあったけどそれでも生きていこうというのを上手く描いた作品だと思います。
自殺についてどっちの立場をとらない作品もそれはそれでいいんですが
作品内でどちらかの立場に立ってくれているとスッキリ読めていいんですよね。
さてゲームについてですが
死ぬまでにしたいリスト10というのがあって、物語を上手く展開させていたと思います。
この作品は、14のチャプターから成り立っていて、1チャプター5分くらいで読めるので
サクサク読めるのもいいですね。
1つのチャプターごとは、短いものの意外な事実が判明したり、
次のリストではどんなことをやるんだろうとか気になって次へ次へと読んでいくのが苦にならないが良かったかと
また自殺を取り扱っているので、暗い話が続くのかと思いきや、中学生らしい楽しい雰囲気(修学旅行のような)
が出ていて重くなりすぎないのが良いかと思います。グラフィックが明るい感じなのもそれの要因かもしれません。
ネタバレになるので詳しくは言えないんですが、後半で大きな出来事が1つ起きます。(具体的にはチャプター9)
そのシーンは感動的で演出等も良いんですが、その後が少し描写不足かなと思いました。
その出来事を受けて、生きるとか死ぬとかについてどう感じたかなど踏まえて
展開して欲しかったですね。
実際にチャプター9のようなことが起きたら言葉にならないと思いますが、
これはゲームなのでもう少し心理描写があっても良かったかなと感じました。
なので最後落ち着いた感があって寂しいですね。
その他演出等、軽く述べるとグラフィックは綺麗で
音楽も素材ですが、場面にあったいいものを選んでいると思います。
BLとありますがBL風な展開が最後のほうに少しあるだけで
メインは死ぬとか生きるとかそういうことだったりするので
BLが苦手な人にも、やって欲しいと思います。